ポケモンにはそれぞれが属する「タイプ」があります。また、ポケモンが使用するわざもそれぞれ「タイプ」を持っています。「タイプ」は、使うわざが相手のポケモンに効くかどうかに深く関わっています。どんなに強いわざでも、相手に効くかどうかは「タイプ」次第と言っても過言ではありません。「タイプ」を理解し、相性を覚えておけば、ポケモンバトルをかなり有利に進められることでしょう。ここでは、その「タイプ」の種類や相性、相性の覚え方などを解説していきます。
目次
概略
タイプは、上部の一覧表の横軸にあるとおり、「ノーマル」から「フェアリー」まで、全部で18種類あります。例えば、ポケモンといえば最初に出てくる「ピカチュウ」は、「でんき」タイプのポケモンです。よく使うわざ「10まんボルト」も「でんき」タイプです。ピカチュウは他にも、「ノーマル」タイプわざ「でんこうせっか」や「はがね」タイプわざ「アイアンテール」を使うこともできます。このように、ポケモンは、自分が特定のタイプに属するとともに、様々なタイプのわざを繰り出して、バトルをします。
ポケモンは、最大2種類のタイプに属します。例えば、先ほどの例のように、ピカチュウは「でんき」タイプのポケモンですが、「フシギダネ」は「くさ」と「どく」、「リザードン」は「ほのお」と「ひこう」というぞれぞれ2つのタイプに属します。
ポケモンのタイプによる耐性や弱点については、別途詳しく説明します。
ポケモンのわざには、物理攻撃を意味する「ぶつりわざ」、特殊攻撃を意味する「とくしゅわざ」、それ単体では攻撃とはならず状態変化を起こす「へんかわざ」の3種類があります。どの種類のわざであっても、それぞれ1つのタイプを持ちます(ただし、タイプが変化する「めざめるパワー」は、複数のタイプになります)。
わざの種類や特徴について、詳しくはポケモンバトルの項で説明しています。
タイプの種類と特徴(覚え方など)
⑱タイプについて、個別に説明していきます。タイプは基本的に現実世界にあるものをもとに、その特徴やタイプ相性が設定されており、それぞれの種類や相性を覚えるのにも、現実世界のもののイメージを持っておくことが有効です。ここでは、管理人の独断と偏見でそれぞれのタイプを現実世界のものに関連づけて説明することにします。
ノーマル
ノーマルは、現実世界でいえば、犬や猫、鳥などの身近にいる動物に類するタイプです。もっとも、他のタイプに属するポケモンも、動物をモチーフにしたものが多くおり、その意味では、それらに属さない動物、と言えるかもしれません。
ノーマルタイプは、他に属さないタイプということでもあり、弱点がほとんどありません。一方、わざが通常以上に有効になる「効果はばつぐん」もなく、全体的に可もなく不可もないといったイメージです。
代表的なポケモンは、ポッポ(ノーマル/ひこう)、ラッキー、カビゴンなどです。
ほのお
ほのおは、文字どおり火に関係するタイプです。ほのおタイプのポケモンは、体のどこかに火を宿していることが多く、そのようなポケモンは見るからに炎と言えるでしょう。また、各地に伝わる火にまつわる伝説などをモチーフにしたポケモンもおり、容姿やエピソードも多岐に渡ります。
天敵はみずタイプで、他にじめんやいわなどにも弱い一方で、くさやむしには強く、こおりやはがねも溶かす高温の炎のわざでダメージを与えます。受けたポケモンに「やけど」の状態異常を起こさせることも大きな特徴です。
代表的なポケモンは、ヒトカゲ、ロコン、ガーディなどです。
みず
みずは、これも文字どおり水に関係するタイプです。海や川(河)、池、沼、湖など、水のあるところに生息する生物がモチーフになっています。ゲームの中でも、みずタイプのポケモンは、通常プレイが進む道路や森、山などにはおらず、海や河川、水路といった水のある場所に出現します。
でんきには弱く、水を養分として吸い取るくさも弱点である一方、ほのおやこおりには耐性があります。変わったところでは、はがねにも耐性があるところでしょうか。わざでは、ほのおに強く、水を通すじめん、いわにも有効です。受け側(ポケモン)はでんきに弱いのに引き換え、わざはでんきタイプのポケモンにも通常のダメージを与えられます。
代表的なポケモンは、ゼニガメ、ヒトデマン、ラプラス(みず/こおり)などです。
でんき
でんきは、これも文字どおり電気に関係するタイプです。現実世界の電気は実体が無いことから、ポケモンの場合には、電気や光を発する動物などがモチーフとなっています。現実世界でも電気や光を発する動物などがモデルになっているケースもありますが、特定の生き物にでんき属性を持たせてポケモンにしているケースも多く、現実世界のイメージとは必ずしも重ならないかもしれません。その意味では、ポケモンらしいタイプ、ということも言えるでしょう。
でんきタイプのポケモンは、電気を受け流すアース=じめんタイプに弱いのが最大の特徴ですが、それ以外の弱点はなく、欠点の少ないタイプと言えるでしょう。わざとしても、じめんには無効(ダメージを与えられない)となってしまいますが、ダメージの大きい技も多く、受けたポケモンに「まひ」の状態異常を起こさせるなど、優れた効果を持っています。
代表的なポケモンは、ピカチュウ、コイル(でんき/はがね)、ビリリダマなどです。
くさ
くさは、現実世界で言えば植物に当てはまるタイプです。植物を動くポケモンに置き換えて表現しているため、葉や花などを身につけているところは共通ですが、その姿はヤシやサボテン、花の蕾や種子など植物らしいものもあれば、カエルやトカゲ、カメなどの水棲生物、恐竜、人間など様々です。御三家ポケモンの最初がくさというのもお決まりで、図鑑番号1も、くさポケモンのフシギダネとなっています。
くさタイプのポケモンは、植物が地面に根を張り、光や水を吸収して育つように、じめん、でんき、みずに強い設定となっています。一方で、ほのおやこおりなど、植物にとって好ましくない現象や、ひこう(鳥)やむし(虫)など、食べられたり棲み家にされたりする相手にも弱く、弱点の多いタイプと言えます。わざについてもほぼ同じことが言えますが、いわタイプにも有効という点が、現実世界との対比でも異質なイメージかもしれません。
くさタイプの代表的なポケモンは、フシギダネ(くさ/どく)、マダツボミ(くさ/どく)、タマタマ(くさ/エスパー)などです。
こおり
こおりは、現実世界で言えば氷や雪などの冷たいものに関係するタイプです。北極や南極などの極寒の地域に棲む動物などがモチーフになっており、海洋生物の姿をしたポケモンが多くなっています。種類も少なめで、進化後に氷を備えるポケモンもいることから、出現場所も限られ、出現率は低めです。
こおりタイプのポケモンは、耐性があるのは自身が持つこおりだけで、ほのお(溶かされる)、かくとう、いわ、はがね(いずれも打ち砕かれる)が弱点となるなど、単独では耐性の低いポケモンと言えるかもしれません。一方わざとしては、くさ、ひこうのほか、強豪揃いのドラゴンやじめんに有効で、使い所によってはかなり効果的なわざと言えます。
こおりタイプの代表的なポケモンは、ジュゴン(みず/こおり)、パルシェン(みず/こおり)、ルージュラ(こおり/エスパー)などです。また、アローラの姿としてサンド(こおり/はがね)、サンドパン(こおり/はがね)、ロコン、キュウコン(こおり/フェアリー)もこおりタイプの属性を持ちます。
かくとう
かくとうは、現実世界のモノや人ではなく、格闘技という概念に当たるタイプと理解した方が良いでしょう。ポケモンも人の姿をしたものが多く、動物をモチーフにしたものも猿や鳥といった、格闘にまつわるものが基になっています。
かくとうタイプのポケモンは、むしやいわに耐性がありますが、ひこうやエスパー、フェアリーといった浮遊系・幻惑系のわざが苦手です。わざでは、こおり、いわ、はがねといった、格闘技のパフォーマンスでよく用いられるものには有効で、あくを懲らしめる正義のヒーローの要素も持っています。HPの高いポケモンが多いノーマルタイプに唯一効果が高いもの特徴で、かくとうわざを持ったポケモンが重宝される所以でもあります。一方、ゴーストに対してはわざが無効になるなど、相手を見極める必要があるタイプとも言えます。
かくとうタイプの代表的なポケモンは、ワンリキー、サワムラー、エビワラーなどです。
どく
どくは、現実世界で毒を持った動植物がモチーフになっているタイプです。毒のある植物も多くありますが、蛇やサソリ、カエル、昆虫など、様々な動物もポケモンとして描かれています。現実世界と同様、ややマイナーな影の存在とも言えますが、個性的な部分もあり、Pokémon GOのトレーナー対戦で見直されています。
どくタイプのポケモンは、くさ、かくとう、むしに耐性があるほか、ドラゴンキラーのフェアリーにも強く、ここが改めて見直されている理由の1つでもあります。わざでも同様で、フェアリータイプに有効なわざとしては、もう1つの弱点であるはがねに比べて低コストで揃えられるメリットもあり、使い方次第で相当な活躍も見込めます。一方、じめんに弱いほか、はがねには無効にされてしまうため、注意が必要です。
どくタイプの代表的なポケモンは、アーボ、ニドラン♀、ニドラン♂などです。
じめん
じめんは、文字どおり地面・大地を表すほか、山や土、砂、泥も含めたタイプになっています。サイやカバ、ゾウなどの重量級の草食動物をモチーフにしたものも、じめんタイプに分類されています。ただし、タイプの特徴としては、地面をイメージした方がわかりやすいでしょう。
じめんタイプのポケモンは、大地に浸透していくみず、くさ、こおりに弱い一方で、取り込んで効果を弱めてしまうでんき、どく、いわには耐性があります。特にでんきにはめっぽう強く、ダメージを受けません(効果無効)。わざでは、ほのおやはがねに効果があり、人気のある強ポケモンに効果的な一撃を与えることができます。ポケモンバトルには必携のわざと言っても過言ではないでしょう。
じめんタイプの代表的なポケモンは、ディグダ、イシツブテ(いわ/じめん)、サイホーン(いわ/じめん)などです。
ひこう
ひこうは、現実世界の空を飛ぶものに関係するタイプです。実は、第5世代(イッシュ地方)の伝説ポケモン「トルネロス」が出現するまでは、ひこうタイプだけのポケモンは存在しませんでした。空を飛ぶものといえば、鳥や昆虫、伝記などに出てくる龍・ドラゴンなどがいますが、いずれも他のタイプ(鳥=ノーマル、昆虫=むし、龍=ドラゴン)が存在するため、それらのタイプが必ずセットになって設定されていたためと考えられます。それだけ単体としての特徴が掴みにくい、とも言えるかもしれません。
とはいえ、ひこうタイプのポケモンは、くさやかくとう、むしには強く、特にじめんには滅法強く、あらゆるじめんわざを無効にしてしまいます。かくとうやじめんには強ポケモンが多く、ポケモンバトルの主流として使われることが多いタイプですが、それに対抗できる個性を持ったタイプと言えます。一方、でんき、こおり、いわには弱く、みず、むし、ドラゴンをもう1つのタイプとして持つとそれぞれでんき、いわ、こおりで二重の弱点を持ってしまいます。実際にこの3タイプをセットで持っているポケモンも多いため、特に注意が必要でしょう。
ひこうタイプの代表的なポケモンは、ズバット(どく/ひこう)、ストライク(むし/ひこう)、ギャラドス(みず/ひこう)などです。
エスパー
エスパーは、文字どおりサイコキネシスやねんりきなどの超能力を使うポケモンのタイプです。明らかにあやしい動きをしているポケモンが多いですが、初代伝説ポケモンの「ミュウツー」や幻のポケモン「ミュウ」など、圧倒的な強さや覚えるわざの豊富さにも特徴があります。エスパータイプには、攻撃が強く防御が弱い攻撃特化型のポケモンが多く、使い所がはっきりしているのも特徴かもしれません。
エスパータイプのポケモンは、同じエスパー以外ではかくとうタイプに耐性があるのが特徴で、その攻撃力の高さも相まって、かくとうタイプの天敵と言えるでしょう。一方で、むし、ゴーストが苦手というちょっと微笑ましい側面もあります。わざは、かくとう、どくに有効ですが、はがねにはいまひとつ、あくには無効にされてしまいます。
なお、後述するとおり、あくタイプは第2世代(ジョウト地方)から追加されたタイプですが、エスパーがあまりに強すぎ、バランスを取るために導入されたのではないかとも言われています。
エスパータイプの代表的なポケモンは、ケーシィ、ヤドン(みず/エスパー)、スリープなどです。
むし
むしは、現実世界でも昆虫などに関係するタイプです。カブトムシやクワガタ、カマキリ、チョウ、セミなどの有名な昆虫類をモチーフにした、いかにもむしタイプといった容姿のポケモンが多く、子どもたちにも人気がありますが、総じて強ポケモンではなく、図鑑コレクションとして集めることが多くなるかもしれません。ただし、ポケモンのアイデアのきっかけは、生みの親である田尻智さんの昆虫採集であることもあり、初代ポケットモンスターから継続的に様々なむしポケモンが世に送り出されています。
むしタイプのポケモンは、現実世界と同様、ほのお、ひこう(鳥)、いわといった外敵に弱く、特にいわにはひこうに強い性質も相まって、ひこうを併せ持ったむしポケモンの大敵になっています。一方、食糧や棲み家となるような、くさ、かくとう、じめんには耐性があります。わざでは、強ポケモンの多いエスパータイプや、その天敵となるあくタイプに強く、うまく使えば効果の高いわざになるかもしれません。
むしタイプの代表的なポケモンは、キャタピー、パラス(くさ/むし)、カイロスなどです。
いわ
いわは、現実世界にある通常の岩はもちろん、化石や溶岩といった少し意味合いの異なる岩石なども含んでいるタイプです。化石からの連想で、恐竜やアンモナイトなどの大昔の生物をモチーフにしたポケモンが、このいわタイプに属しています。
いわタイプのポケモンは、みず、くさ、かくとう、じめん、はがねと弱点の多い反面、弱点の少ないノーマルタイプに耐性があるほか、ほのお、どくにも強く、使い所を間違わなければ活躍できるタイプと言えそうです。わざでは、ひこうタイプに強く、ほのお、こおり、むしといったひこうと同時に備えていることのあるタイプに対して二重の効果を発揮します。
いわタイプの代表的なポケモンは、イワーク(いわ/じめん)、オムナイト(いわ/みず)、プテラ(いわ/ひこう)などです。
ゴースト
ゴーストは、その名のとおり、おばけ・ゴーストの類に関係するタイプです。各世代に1〜2種類程度しかいない希少な種類で、第4世代の「ギラティナ」まで、伝説ポケモンにゴーストタイプは出現しませんでした。攻撃型のポケモンが多いですが、ギラティナは防御にも非常に優れており、歴代でも非常に個性的なポケモンです。
ゴーストタイプのポケモンは、ノーマルとかくとうを無効にできる優れた特性を持っていますが、同じゴーストタイプに弱く、相討ちが発生しがちです。加えて、あくタイプも弱点になっています。わざでは、エスパーに有効ですが、ノーマルには耐性と逆で無効にされてしまいます。ノーマルタイプとの対戦では、自分がダメージを受けない代わりに相手にもダメージを与えられないといった事象もあり得るため、注意が必要です。
ゴーストタイプの代表的なポケモンは、ゴース(ゴースト/どく)、ムウマ、ガラガラ(アローラのすがた、ほのお/ゴースト)などです。
ドラゴン
ドラゴンは、現実世界の伝説やお伽話で出てくる龍・ドラゴンにまつわるタイプです。大蛇が宙に浮く東洋的な龍もあれば、恐竜に羽の生えたようなドラゴンもおり、イメージどおりの強ポケモン揃いです。出現確率も低く、なかなか手に入らない上、育成にも時間のかかるポケモンが多いですが、その分育ったあとの破壊力はばつぐんです。いわゆる600族や伝説ポケモンが多く属しているのもこのタイプです。
ドラゴンタイプのポケモンは、こおりが苦手という設定ですが、ほのお、みず、でんき、くさという、基本的で育てやすいポケモンの多いタイプを得意としています。また、ゴーストと同様、ドラゴン同士でもお互いに有効となっており、相討ちが発生しがちです。わざとしては、ドラゴン以外には通常の効果しかなく、タイプ相性としては劣っているように見えますが、その圧倒的な火力で全てのタイプに効果を与えられるという意味で万能とも言えます。あまりの強さに、第2世代ではがねが、第6世代(カロス地方)でフェアリーがそれぞれ実装され、ドラゴンの攻撃を弱める(フェアリーは無効化)作用を持つこととなっています。
ドラゴンタイプの代表的なポケモンは、ミニリュウ、キングドラ(みず/ドラゴン)、ナッシー(アローラのすがた、くさ/ドラゴン)などです。他にも伝説ポケモンに多く存在しています。
あく
あくは、なかなか表現の難しいタイプです。現実世界の悪者、悪党、悪役といった悪いもののイメージもありますが、必ずしもそれだけではありません。暗がりや夜を得意としていたり、影の存在として人間や街を守ったりといった、悪とは性質の異なるものでも、暗さや影、黒といったものにまつわるものが属しています。
あくタイプのポケモンは、かくとうとむしに弱いのが難点ですが、ゴーストに耐性があり、エスパーは無効にできます。わざとしても、エスパーとゴーストに有効で、まさにエスパー・ゴーストキラーと呼べるでしょう。
あくタイプの代表的なポケモンは、ヤミカラス(あく/ひこう)、ニューラ(あく/こおり)、コラッタ(アローラのすがた、あく/ノーマル)などです。
はがね
はがねは、現実世界の鉄などの鉱物や、それを材料として作られた剣や盾などの道具類に関係するタイプです。はがねタイプは、あくタイプとともに第2世代から導入されましたが、導入と同時に一部の第1世代(カントー地方)のポケモンにも適用されました。
はがねタイプのポケモンは、ほのお、かくとう、じめんという弱点を持つものの、ノーマルをはじめ、くさやこおりなど、実に10種類のタイプに耐性があり、どくを無効にできる高い防御性能を持っています。特にそれまで猛威をふるっていたエスパーとドラゴンに耐性があるメリットは大きく、一躍有望なタイプに躍り出ました。わざとしては、こおり、いわ(及び後に出てくるフェアリー)に有効で、反対にいまひとつの相手は、ほのお、みず、でんきにはがね自身を加えた4タイプとなっています。
はがねタイプの代表的なポケモンは、ハガネール(はがね/じめん)、ハッサム(むし/はがね)、エアームド(はがね/ひこう)などです。
フェアリー
フェアリーは、まさに妖精を表現したポケモンのタイプです。いずれも可愛らしい容姿をしていますが、見た目とは裏腹に、強ポケモンを次々となぎ倒す能力を秘めています。フェアリーは第6世代から導入された、18種類のタイプの中で最も歴史が浅く、それだけに、特定のタイプへの耐性や有効性を持ったタイプと言えるでしょう。
フェアリータイプのポケモンは、どくとはがねに弱く、かくとう、むし、あくには耐性があります。加えて、強豪のドラゴンを無効にできる点は特筆すべき特徴と言えるでしょう。わざとしても、かくとう、ドラゴン、あくに有効で、ほのお、どく、はがねにいまひとつとなります。
フェアリータイプの代表的なポケモンは、ピッピ、プリン(ノーマル/フェアリー)、ブルーなどです。
タイプ相性
既に概略やタイプごとの説明で触れていますが、タイプにはそれぞれ相性があり、特定のタイプに強い、弱い、特に弱いといった特徴が設定されています。タイプ相性は、攻撃をするわざのタイプと攻撃を受けるポケモンのタイプで決まります。
相性の例
例えば、「じめん」タイプのディグダは、弱点である「みず」や「くさ」タイプの攻撃を受けると、効果が増加され(原作ポケットモンスターシリーズでは「効果はばつぐんだ!」と表示)、より大きなダメージ、具体的には通常の2倍のダメージが与えられます。これは、原作の表示から「ばつぐん」とも呼ばれます。
また、同じくディグダが耐性のある「どく」や「いわ」タイプの攻撃を受けると、効果が軽減され(原作では「効果はいまひとつだ」と表示)、より小さなダメージ、具体的には0.5倍のダメージになります。これは、原作の表示から「いまひとつ」とも呼ばれます。
さらに、ディグダが特に耐性のある「でんき」タイプの攻撃を受けると、効果が無効(原作では「効果がないみたいだ」と表示)すなわち0倍となります。
二重耐性・二重弱点
タイプが2種類あるポケモンは、それぞれのタイプを掛け合わせた相性を持ちます。例えば、「くさ」と「どく」に属するフシギダネは、「くさ」「どく」ともに耐性のある「くさ」わざには二重の耐性を持つことになり(これを俗に「二重耐性」と呼びます)、具体的には、0.25倍のダメージということになります。
一方で、「ほのお」と「ひこう」に属するリザードンは、「ほのお」「ひこう」ともに弱点である「いわ」わざには二つの弱点を持つことになり(これを俗に「二重弱点」と呼びます)、具体的には、4倍のダメージということになります。
タイプから見たポケモンの特徴
相性についてより理解するために、実際に存在するポケモンをタイプから見てみましょう。ポケモンが属するタイプは、それぞれのポケモンが持つ特徴やそのポケモンにまつわるエピソードなどから設定されており、タイプを見ていくと、そのポケモンの特徴を掴むことにもつながるのではないかと思いますので、ポケモンをより楽しむためにも、様々なポケモンをタイプとともに覚えていきましょう。
バンギラス
まず、第2世代の600族で、人気もばつぐんの強ポケモン、バンギラスです。バンギラスは、600族のほとんどが持っているドラゴンを持たない個性的な種族で、タイプ相性も非常に個性的です。
よろいポケモンのバンギラスは、いわ/あくタイプのポケモンです。山を1つ崩してしまうほどの強いパワーを持つ、というところから、じめんタイプを想像してしまいますが、白亜紀後期の恐竜アンキロサウルス(別名アンキラス)がモデルになっているとも言われている点や暴れん坊=あくという点から、いわとあくが採用されているものと思われます。
もっとも、バンギラスが初登場したジョウト地方(ポケットモンスター 金・銀)は、あくタイプが初めて加わった世代でもあり、あくタイプポケモンの主力級を投入する狙いもあったと思われ、由来とタイプのどちらが先に決まっていたかは微妙なところかもしれません。
ちなみに、進化前のヨーギラス、サナギラスはいわ/じめんタイプのポケモンです。
さて、肝心のバンギラスの属性についてですが、いわとあくそれぞれのタイプを見ていきましょう。
タイプ相性は、右図の相性表で判別すると良いでしょう。縦軸がポケモンのタイプ、横軸がわざのタイプとなっており、その縦軸と横軸の重なったマスが、わざ側から見た効果の記号になっています。
【記号の意味】
◯ : 効果はばつぐん(2倍)
△ : 効果はいまひとつ(0.5倍)
× : 無効(0倍)
無印: 通常(1倍)
ポケモンのタイプで縦軸は1つないし2つに決まります。そのポケモンに対して攻撃する際のわざを横軸で見ていきます。
バンギラスの場合は、縦軸がいわ(右から6番目)とあく(右から3番目)になっており、この2列にどんなわざを出すかによって効果が違ってくるということになります。下図の赤枠を参照してください。
まずは、ほのおタイプの技に対しての効果を確認します。図の青枠がほのおわざを出した場合の効果です。
ほのおはいわに対してはいまひとつ(△)、あくに対しては通常(無印)ですので、双方の倍率をかけあわせて(0.5)×(1)=0.5倍の効果になります。
つまり、2つのタイプを持っていても、弱点や耐性が1つしかない場合は、それが優先される、と考えてください。
では、無効になる場合はどうでしょうか。
エスパーわざは、いわには通常の効果ですが、あくには無効にされてしまいます。
この場合も同様に計算してみると、通常と無効ですから、(1)×(0)=0倍(無効)ということになります。
つまり、通常よりも無効が優先され、出したわざは無効ということになります。これは、無効のもう一方がばつぐんでも、いまひとつでも同じ結果になります。
では、最後に、二重の場合を見てみます。
かくとうの行を見てみると、いわ、あくともに「◯」(効果ばつぐん)が入っています。つまり、バンギラスに対してかくとうわざを使うと、効果は二重になります。
具体的には、ばつぐん×ばつぐんですから、(2)×(2)=4倍ということになります。これが俗にいう二重弱点です。
バンギラスは基礎能力が非常に高く、攻撃も強力ですが、かくとうタイプには特に弱く、可能なら即交代でも良いタイプと言えます。
クチート
続いて、第3世代(ホウエン地方)の個性派、あざむきポケモンのクチートを見てみましょう。
背後にワニのような大顎を隠し持ち、大人しそうな顔で油断させてパクリとかみつくという、食虫植物よりも恐ろしい設定をコミカルに描いた異色の存在です。
クチートは、登場時点(第3世代〜第5世代)では、はがねタイプのみでしたが、フェアリータイプの追加により、現在(第6世代以降)は、はがね/フェアリータイプとなっています。
はがね/フェアリーはともにむしタイプに耐性を持っていますから、クチートは、むしに対して二重に耐性があります。これを俗に二重耐性といいます。
クチートは、はがね単体であった時(相性表の赤枠左側を参照)よりも、むしに対してより強力になったということになります。
さらに、ドラゴンの行を見てみましょう。
ドラゴンははがねにいまひとつですが、フェアリーには無効です。前述のとおり、効果は無効が優先されるので、この場合もドラゴンタイプわざは無効になります。
クチートは、はがね単体でもドラゴンに強い(耐性がある)ポケモンでしたが、フェアリーが加わってさらに強くなったと言えるでしょう。
とは言え、クチートの基礎能力が高くないため、強力なドラゴンタイプのポケモンに、ドラゴンわざ以外を出されると、たちまち倒されてしまうこともあり得ます。タイプ相性は非常に重要な要素ですが、それだけでなく、ポケモンの個性や能力値にも着目し、ポケモンバトルをさらに有利に進めましょう。
タイプと相性の覚え方
覚えておくことで咄嗟の判断に役立つタイプと相性。攻略サイトなどでも様々な覚え方が紹介されていますが、ここでは、その中でよく使いそうないくつかのタイプと相性を覚えられるよう、簡単に説明します。
ノーマル
ノーマルタイプのポケモンは、ほとんどのタイプのわざが通常(1倍)の効果ですが、かくとうのみが弱点、ゴーストが無効になります。わざもほとんどが通常ですが、いわ、はがねがいまひとつで、ゴーストはやはり無効です。
覚える時は、格闘家が苦手で、硬いものには弾き返され、ゴーストはお互いに相容れない関係、といったところでしょうか。
みず
みずタイプのポケモンは、ほのおやこおりに強く、強ポケモンの多いはがねタイプにも耐性を持つため、使い勝手の良いポケモンです。御三家ポケモンの一角であるほか、非伝説ではギャラドスやラプラス、ミロカロス、伝説ポケモンにもカイオーガやパルキア、みずわざを使うポケモンで言えばルギアもおり、バトルで活躍が期待できるタイプです。
みずタイプのポケモンは、くさとでんきが弱点で、覚える場合は、養分を吸い取られる植物と電気が通った時の感電をイメージすれば良いと思います。
かくとう
かくとうは、わざの効果ばつぐんとなるタイプが硬いもの(こおり、いわ、はがね)と悪者(あく)とわかりやすく、これにノーマルを加えれば、有効に働く相手を見極めやすいタイプです。HPが高く、守り役としてよく使われるノーマルタイプのポケモンは、かくとうが唯一の弱点なので、かくとうタイプが頻繁に使われることになり、必然的によく覚えられるという環境的な状況があるため、覚えるとすれば、硬いものと悪者、というところで良いでしょう。逆に、効果いまひとつとなるものも多いのですが、そちらについては、目に見える硬いもの、悪者と対比しつつ、見えざる敵(どく、ひこう(鳥=空)、エスパー、むし、ゴースト、フェアリー)には攻撃しづらい、という覚え方でどうでしょうか。
一方ポケモンは、むし、いわ、あくに強く、ひこう、エスパー、フェアリーに弱い設定ですが、わざとの対比では、むし(攻撃も防御もいまひとつ)に注意、というところでしょうか。他に、ゴーストとはがねについては、どちらも通常のダメージになります。
エスパー
エスパータイプのポケモンは、初代伝説のポケモン、ミュウツーをはじめとして、非常に強力なポケモンの多いタイプです。総じて攻撃力(特殊)が高く、アタッカーとして大活躍します。
かくとうには攻守ともに強く、格闘家キラーとイメージすれば良いでしょう。一方で、はがねには効果を受け流され、あくには無効化されるという点を覚えておきましょう。ポケモンとしては、むし、ゴースト、あくという嫌いな人が多そうなものに弱い、といった覚え方でしょうか。
ドラゴン
ドラゴンタイプは、初代のカイリューなど、600族を多く輩出している名門タイプで、ゲットした場合は必ず育てて強くし、バトルに投入する強ポケモンタイプです。ほのお、みず、でんき、くさという基本的なわざに耐性があるのも魅力です。
ドラゴンは、同じドラゴンで効果ばつぐんになるほか、ドラゴンキラーのフェアリーにはとにかく弱いと覚えておきましょう。加えて、受け側としては、イメージしづらいところですが、こおりも苦手です。また、攻撃が剣や盾(はがね)で受け流される(効果いまひとつ)というイメージも持っておいて良いでしょう。
あく
あくタイプは、上で紹介したバンギラスや第5世代の600族サザンドラという強ポケモンを輩出し、幻のポケモン、ダークライも含めて、強力なエスパーに対抗するために必須の存在になっています。
第2世代から、エスパー、ゴーストキラーとして登場したあくタイプは、現実世界とリンクさせるというよりは、追加された経緯の方が覚えるのに有効かもしれません。弱点は、勧善懲悪のイメージとなるかくとうです。後から追加されたフェアリータイプは、強力なあくポケモン対策にもなっており、これも弱点となっています。